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第三章 輝く夏空の下


 霧の中にいる。どこだろう?初めて来た場所。わからない。よくよく考えたら、私の恰好は半袖のパジャマ。どうして、この姿でいるのか?周りは灰色の、乳白色のというか、そんなもやの中で、裸足で立っている。
「……り…………い……」
 えっ、声?誰かが、呼ぶ声。声のする方へ、歩いてみた。歩けば歩くほど、声は近く聞こえてくる。段々、私は足早になって行った。
 向こうに何か、背の高い影が見えて来た。長い、二本の柱と横棒二本。鳥居だ。
 一瞬、またあそこに、「アッチの世界」と呼ばれた「4423」に、また来たのではと、思ってしまった。でも違った。
 その鳥居のそばに着いたが、あの時のとは、別モノ。大きな鳥居は立派で、黒いけど、表面には、朱塗りの跡らしい赤い色が残されていた。上の横棒は両端が少し上にカーブして、下の横棒は両側が突き出ている。上には額がたててあって、何か書いてある。
 鳥居の向こう側を見てみると、道が続いている。けど、木でできていた。橋だった。黒々として、両側には欄干が続いていた。少し、上り坂になっていて、橋の真ん中辺りに、また同じような鳥居が立っている。向こう岸は、霧に覆われて、何も見えない。
「……帰りたい……」
 え?
「……帰りたい……あそこに……帰りたい……帰して……道を、教えて……」
 さっきの声が、聞こえる。さっきよりも、ハッキリと。周りから、そこら中から。女の人の声のように聞こえる。一体、誰なの?
 耳を澄ませば、橋向こうがハッキリと聞こえる。鳥居をくぐって、橋を渡ろうと思った。足を踏み出そうとした。
「ダメ!」
 え?
 驚いた。声が私を止めた。足を止め、周りを見回してみたけど、やはり誰もいない。
「……ヤサコ、あなたは……あそこに、行ってはいけない……」
 どうして、名前を知っているの?初めて聞く声が、私を知っている?よくよく考えてみると、今のその声は、知っている声も混じっていた。イサコのような、ハラケンのような、京子のような……。
「……ごめんなさい……ごめんなさい……」
 今度は、謝る声。今度は、初めて聞く声だけだった。
 橋から後退りした。不意に、上の額が眼に入った。改めてその字を読んだ。
『常世』。そう書いてあった。
                 ○
 目が覚めた。朝だった。
 窓の向こうからは、チュンチュンとスズメのさえずりが聞こえ、朝の光で眩しかった。フンっと起き上って、気づいた。頭にメガネがかかったままだった。
 またしてしまった。それじゃあ、あの夢は、また「アッチの世界」?まさか……。
 下に降りようと思って、顔を動かしたら、カチャッとメガネが目の前に落っこちて来た。そのまま鼻の上にフィットして、視界に電脳世界が広がった。すると、
「クゥウオン」
 霧がモヤモヤした黒いヤエが、かけ布団の上に乗ってこちらを見ていた。
「ああぁ!ヤエ。勝手に箱から出ちゃ、ダメでしょ!」
「クゥウオオオン!」
 ちょっと怒った感じで言うと、ヤエはヒョイッと宙を舞い、クルクルとしながら箱に戻った。
 やっぱり、普通の電脳生物でも、イリーガルでもない。あれは……。
                 ○
『本日は東北を中心に、東日本は晴れのち曇り。所によって、夕立があるでしょう……』
 テレビから天気予報のニュースが流れる、八時の朝食時の食卓。
 イチゴジャムのパンを、小此木姉妹は揃って食べていた。ジャムの瓶やマーガリンの器、パンやハムエッグの乗る皿が並び、ヤエもいた。ヤエはキャベツの端やパンの耳の映像をガシガシと食べ、表情はなかったが、美味しそうに頬張っていた。
 食べながらヤサコと京子は、ヤエの食べ様をおもしろく、楽しく、生きものの観察しているように眺めていた。無論、母にはヤエは見えなかった。
「優ちゃん、今日はどういう予定なの?」
 食器棚を前に、カップを入れる母の背から、問いかけの声が聞こえた。
「今日は、ハラケンと一緒に、図書館でしらべもの」
「何なの?」
「部活の研究。秋の文化祭で発表する、レポートなの」
「あらそう」
 その時は、母は席につき、できたてのトーストにマーガリンを塗っていた。
「いつ行くの?」
「九時半に落ち合うの」
「今日は雨が降るかもしれないから、折り畳み傘持って行きなさい。それにー」
「スポーツドリンクでしょ?」
「そう!水分はこまめに摂らないと、熱中症で倒れちゃうわよ」
「わかってるわよ!もう、中学生なんだから、そう簡単に子どもあつかいしないでよ!」
「あたしにとっては、いつまでも自分の娘よ。それに、心配して言ってるんだから」
「……ありがとう……」
 今は、言わなければならない。そうヤサコには思えてならず、答えた。
「ごちそうさま」
 食器を流しに置き、部屋に戻ろうとした。
「図書館の帰り、どっか二人で寄るの?」
「え?ううんっと……」
 特別、予定が無かったが、頭の中をそれに関して探った。その時、
「かけおち?」
 京子の言葉で、台所の空気はキーンと張り詰めてしまった。例の時代劇のセリフらしい。
「「きょっ、京子!」」
「でへへへへへっ」
 小此木家の騒がしさを、食べ続けるヤエはわかっていなかった。
                 ○
 シャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワ……
 熱々に焼けて、陽炎がユラユラ揺らめくコンクリの道路を、ハラケンが駆けていた。向かう先は、市立中央図書館。
 大小いくつもの雲が、青い空を泳ぐ炎天下。グレーの半袖Yシャツと、いつもの黒いズボンで、分厚いファイルを片手に、滝のような汗も気にせず、タッタッタッタッと、坂を駆け上がっていた。
 別に、時間に遅れそうな訳ではなかった。待たせたくない。少しでも早く、集合したい。心配をかけたくない。それだけが、彼とその体をかき立てた。
 坂を上って行くと、図書館の屋根が見えた。タイルの壁が見えた。プレートが見えた。正面入り口が見えた。葉の茂ったツタが見えた。袖のある薄緑なワンピースのヤサコが見えた。
 手さげカバンを持ち、壁際に立つ彼女の姿が見えると、無意識にスピードが減速した。ハァハァとした息切れも落ち着き、早歩きに変わった。
「ヤサコッ!」
 少し大きめな呼び声は、しっかり彼女まで届き、ハッとした感じでヤサコは、声の先に振り向いた。
「あっ、ハラケン!おはよう」
「うっ、うん。おはよう、ヤサコ」
 二人とも、にこやかに顔を合わせると、ほんの一瞬、妙な間が起き、二人は変に慌ててしまった。
「ハラケン、すごい汗。ビッショリよ。大丈夫?」
「うっ、うん、大丈夫。少し走っただけ。心配してくれてありがとう」
 お互い何気なく、相手を気遣いながら、涼しい図書館に入った。
「そう言えば」フロアを歩いていて、ふとハラケンが聞いてきた。「ヤエはどうなったの?」
「うん。いろいろあったけど、お父さんが認めてくれてね、飼える事ができたの」
「えっ、そうだったの?僕の方は、オバちゃんを説得するので大変だったよ」
「それは……ご苦労さま」
                 ○
 薄暗く、静かで、寒すぎはしない図書館の一角。長いテーブルの上で、ハラケンとヤサコは、数冊の本や雑誌、いくつものウィンドウを前に、研究をしていた。彼らの今の研究テーマは「他界観・異界観」だった。別の世界、自分達の住む世界とは違う異空間。その伝説を民俗学的に研究するのが、この夏の課題だった。
 それを選んだ理由は、あの事件からだった。「アッチ」と呼ばれた謎の電脳空間。都市伝説化したそれに対する人々の考えや心を、古い伝承の中から、新たに見ようと思い、このテーマを選んだ。
「日本では異界の場所は、海の向こうって言うのが一般的だ。神話の〝常世〟や沖縄の〝ニライカナイ〟とか」
「でも、山中や平地というのも多いわよ。東北の〝迷い家〟とか、『おむすびころりん』の〝ネズミ浄土〟とか」
「そうだね。そう言えば中国には、〝洞天福地〟って言う、山の中の仙境を聞いた事ある」
 ヒソヒソと二人は、淡々とそれでいて楽しそうに、課題に取り組んでいた。とは言え、あまり大きな声は出せないので、自然と肩を寄せて相手の言葉に、耳を傾けていた。
「平田篤胤という人は、異界を〝幽界〟と名付けて、自分達の世界のすぐ隣に存在しているって言ったそうだ」
「ヒラタアツタネって、誰?」
「日本の事を、国学を研究した江戸時代の学者、歴史上の人物だ。幕末の志士に影響を与えた人だ」
「でも、何でそういう人が、こういう異界を研究したのかしら?」
「うぅ~ん……そうだね。何で、だろう?」
 疑問が二人に降りて来た時だった。
「それはね」突然、後ろから若い静かな大人の女性の声がした。「彼も、そこに行きたかったからなのよ」
 いきなりの事で、二人はギョッとなって、振り向いた。
 そこには、女性司書が二冊の本を抱えながら、立っていた。歳は二十代後半だろうか。後ろでアップにして止めた黒髪で、長い前髪のある優しそうな丸い輪郭、きれいな鼻筋の顔に大きな瞳を持ち、少し四角いメガネをかけていた。どうやら電脳メガネらしい。茶色いチョッキを着たスーツ姿で、膝までの長いスカートを穿き、ニコリと二人にしていた。
 すると、スタスタと何も言わず、二人の前の椅子にストっと座ってしまい、二人は唖然としてしまうしかなかった。
「篤胤は異界も、世界の裏表も知りたかったと思うわ。そして、行ってみたかったんだわ。そう言う世界を知ろうとした人達は、自分も行きたかったと思うわ。でも、そう簡単には行けない。中国で美しい隠れ里〝桃源郷〟に行った男は、また行こうとしたけど、もう見つからなかったという話があるわ。
 そう言えば、電脳の都市伝説に〝アッチ〟というのがあったらしいわね。聞いた事あるでしょう。いつの時代も、そういう考えは起こるものね。あなた達は行ってみたいと思う?別の世界に」
 ここに来て、二人はウッと言葉に詰まった。いきなり現れ、一人で勝手に話し続けた司書さんの質問。まさか、「アッチ」に行った経験があるとは、口が裂けても言えなかった。あの一件は、自分達の中の秘密として、他言しないとしていた。
「どっ、どうして、そう言う事を、僕達に聞くの?」
 ハラケンは恐る恐る、少し慌てながら聞き返した。
「さっきの篤胤は、異界に行った少年と会った事があるの」
「「え?」」
 揃って、意味がわからず、変な声を出してしまった。
「江戸で寅吉という少年が、天狗と一緒に異界を往来し、天狗の弟子となって修行したと言って、〝天狗小僧〟と呼ばれ街中で話題になった。篤胤は数年もかけ彼を取材し、あちら側と少年の事を本にした。別の世界に行けるのは、あなた達みたいな子供らしいのね」
 シーンと、不可思議な空気が、彼らの周りを包んだようだった。司書さんは少し、遠目で見るように宙に視線を止めていた。まるで、もう一つの世界を、見ているように。
「……あっ、あの……」パッと空気を消すように、ヤサコが口を開いた。「司書さんのお姉さんも、行ってみたいの?異界に」
 その質問で、彼女の眼の先が、現実世界に戻ったようだった。
「うん。お姉さんも、行ってみたい。お母さんからそういう昔話を聞いたから……」
「ヲッホン。松澤、清子君!」
 向こうから小さな声で、初老の司書が台を押しながら、こちらに声をかけた。それに反応したのが、彼女だった。
「あっ、はい!すっ、すみません!すぐに戻ります!」
 ここが図書館にも関わらず、大声で慌てながら、向かおうと立ち上がった。そんな慌て振りは館内に響き、誰も彼もそちらを向き、驚き、ムッと怒った顔を見せた。
「ごめんねっ!じゃあね」
 ちょっと振り向きながら「マツザワキヨコ」と呼ばれた彼女は、イソイソと初老の司書の下に行き、クドクド説教を受けながら、裏手に消えた。
 残されたハラケンとヤサコは、ポカーンと彼女の後ろ姿を見ていた。一瞬顔を見合せ、お互いゆっくりと笑いながら、レポートの続きに戻った。
                 ○
 それから、数十分した頃の昼過ぎ。東の雲行きが急に暗く淀み、ハラケンとヤサコがお弁当のおにぎりとサンドイッチを食べ始めた頃。
「麦茶をお持ち……しました」
 ヤサコの母がメガシ屋の裏、電脳工房の仏間に訪れた時、そこには六人いた。仏壇前のメガばあや京子、その隣にイサコ、アキラ、タケル。そして、仏壇の正面のオバちゃん。妙な顔触れだった。しいて言えば、京子の腕の中にヤエがいた。ヤエは蚊取り線香の、ユラユラ揺れる長い煙を目で追っていた。
 オバちゃんはライダースーツ。イサコは朱色の半袖シャツにジーパン。アキラ、タケル、京子はTシャツに長めの半ズボンだった。
 しかし、その雰囲気はピリピリとし、誰もが無表情に近かった。
「あっ、僕が運びますので、大丈夫です」
「僕も手伝いします」
 アキラとタケルがヤサコの母からお盆を受け取り、ササっと母が消えると、二人は他の四人の前にコップを置き、さっきの位置に戻った。とは言え、さっきの雰囲気の続きに、戻ったに過ぎなかった。
「話をまとめると」この雰囲気の開口一番は、オバちゃんだった。「研ちゃんの話によれば、昨日河原で京子ちゃんが、そのヤエと名付けたイリーガルを発見し、今ここにかくまっている。しかも、室長に飼う事を認めさせた、と?」
「そう言う事じゃ」
 真正面で正座するメガばあは、落ち着きながら答えた。
「さらにそのイリーガルは、強烈なビームも発する……ハッキリ言いまして、危険です!私でしたら、すぐに削除します!」
 かなり力強く、敵意を混ぜた言葉に、京子とヤエがビクッと慄いた。
「ところで……何で、イサコもいるの?」
 いきなりジロッと、オバちゃんはイサコを睨みつけた。
「そう言われても、この中で現場にいて、正確に当時の状況を伝えられるのは、私だけだ」
 確かに、その通りである。
「こちらからも言いたいが、何故こいつらもいる?」
 今度はチラッと、イサコが隣のアキラとタケルに目をやった。
「僕は姉から聞きましたが、実に興味深く、実物…あぁいやぁ、実際にその姿を確かめようと、勝手ながら来ました」
「僕も、研一君が話してくれましたが、聞いただけではわからなかったので、玉子姉さんと一緒に来ました」
 二人とも眼とメガネをランランと輝かし、ヤエを覗いていた。
「確かに、これまでにない新種のイリーガルには、違い無いでしょう。しかし、沢口大地が飼ったイリーガルのような事件が起こらないとは、限りません。こういう存在は、早急に消し去り、事件を未然に防がなければなりません!」
 オバちゃんのがんと譲らぬ態度に、イサコとメガばあ以外は、動じてしまった。
「しかしのお玉子、今のところ被害を起こしそうな行動は、まだ見られん。もうちょっとは長い目で見てはどうかのう?」
「そうはいきません。第一、強力なビームが出せるのでしょう?それだけでも危険です!」
「おおっ、そうじゃのう」いきなり膝をポンッと打った。「まだ儂も見とらんなあ。どうじゃ京子、ヤエにそれを出してはもらえんかのう?」
 しかし、京子の顔はすぐれず、ヤエを抱きながら下を向いていた。
「それは賛成しかねる」答えたのはイサコだった。「あの雷撃はヤエの自己防衛であって、見せるモノではない。それに、あのパワーはかなりの力だ。あの時、ダイチに撃った後、力尽きて、半分にしぼんでしまった。あの力は自身にとっても負担がかかり、自分のエネルギーをかなり消費するようだ。ヤエの為に、むやみ使うべきではないと思う」
 冷静に正論を語った。
「それに、あんたら、大事な連中を忘れてはいないか?」
 この質問に、一同はキョトンとした顔を見せた。
「小此木姉妹だ。誰よりも早くヤエを見つけたのは、京子。最初に懐いたのは、ヤサコ。この二人の意見を、尊重すべきじゃないのか?」
 またしても正論であった。しかし、オバちゃんもそう簡単には食い下がらなかった。
「私は、そういう事で、情に流されたり、情を移したくはありません。最悪の事態が起こってからでは、遅いのよ!わかるでしょ?」
 それはすでに、懇願すら交えていた。自分の過去までも持ち出さんとする口調だった。
「あっ、あの~」
 小さな、か細い声が部屋の隅から、聞こえてきた。皆が向く声の元は、京子だった。
「夏休みの間だけじゃあ、ダメかなあ?夏休み終わったら、捨てていいから……何かしたら、消していいから……だから……今は、ヤエと一緒にいさせて!お願い!約束する!」
 小さいながら、力強くヤエを守ろうと京子は、精一杯の心を見せようとした。
 この姿には、さすがのオバちゃんも、イサコも驚き、どう反応していいのやら、少し慌ててしまった。それでも、持てる限りの勇気を見せたのは、誰の目にも明らかだった。
「…………フウっ……わかったわ。夏休みの間だけ、その後に削除。それでいいわね?」
 ついにオバちゃんが折れた。京子もウンっと大きく頷き、話はまとまった。
「うむっ、交渉成立じゃあ!」
 メガばあの大声で、会議はお開きという事になった。ただ、少年二人は「それでいいのか?」と、驚き半分な表情ではあった。
 と、その時だった。
 カッ、ガラガラゴロゴロゴロゴロゴロ……
 白く、黄色い閃光が、パッと庭と部屋を照らした。京子は「キャッ」と驚き、思わず隣のイサコに飛びついてしまった。
「クゥオオン!」
 京子の腕の中から、霧の尾を引きながら、シュルシュルと庭に飛び出した。
「あっ、ヤエ!」
 いきなりの事で、誰もが動く隙も無かった。
 一方の外では上空に、ゴロゴロと雷鳴をとどろかす黒雲が広がり、西から赤い日の光が街の一部を照らしていた。そして、
 ポツッ、ポツッ、ポツポツッポツッ、ボツボツボツボツボツボツ、ザア――ッ
 夕立だった。そんな大雨の中でヤエは、クルクルと楽しそうに宙を浮き、雨にじゃれているようだった。まさに、水を得た魚が泳ぐようだった。
「クゥヲオオ―ン!クゥヲオオ―ン!」
 そんな様子を縁側に駆け付けた六人は、少しホッとして、しばらく眺めていた。
 ところが、
「あっ!あたしのバイクがぁ!」
 すでにバイクは、ずぶ濡れである。
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